知覧の旅、父が伝えたかった事

父が知覧の旅を提案した時、父は末期ガンだった。

ガンの告知をしていなかったので父が分かっていたらどうかは今となっては確認のしようがないが、ただ残された時間が少ない事は自覚していたようだった。

両親と私達夫婦の4人は鹿児島で一泊したあと目的地の知覧へ向かった。

戦争体験者の父は私達夫婦に戦争の悲惨さを伝えたかったようで話して聞かせるより特攻平和会館を見せて感じて欲しいと思ったようだ。

父の思惑は見事に当たった。

特攻を知らない私達夫婦は衝撃を受け平和の尊さを思い知らされました。

間もなく父は亡くなり私達夫婦は娘を授かりました。その娘が知覧行きを希望しているので今度は私達が娘に継承する番だと思っています。

お父さん、あなたの想いは孫に伝えていきますから安心してください。